突然に届いた裁判所からの書類
2015年に協議離婚をしましたが、お互いに顔を会わすのも嫌な状況で細かい決め事をしないまま離婚、別居生活になりました。当時の口約束は以下の2点で、書面でのやりとりはしていませんでした。
①子供への養育費は収入に見合った金額を払う。
②子供には月に一度会う機会を設ける。
私は算定表に基づき月に4万円の振込みをしていました。面会交流に付いては残念ながら離婚後に1度だけ実施されただけで、その後は数ヶ月間会わせて貰えない状況が続いていました。当時の心境としては「お金は毎月払っているのに、月に一度の面会交流を破るなんて話が違う。」と悩んでいました。
そんな時に裁判所から一通の封筒が届きました。中には「調停期日通知書」と「申立書」と言う書面が入っていました。
「調停期日通知書」には「〇月〇日〇時に裁判所に来て下さい」等の事務的な事や裁判所へのアクセス方法が記載されていました。
「申立書」には相手方が調停で話し合いたい内容が書かれていました。
それは「親権は元相方とする・養育費は月に5万・慰謝料300万」の3点。
そしてその書面には「申立ての理由」を選んで〇を付ける部分がありました。
その選択内容は13個。
1 性格があわない
2 異性関係
3 暴力をふるう
4 酒を飲みすぎる
5 性的不調和
6 浪費する
7 病気
8 精神的に虐待する
9 家族をすててかえりみない
10 家族と折合いが悪い
11 同居に応じない
12 生活費を渡さない
13 その他
私の場合は「4の酒を飲み過ぎる」「8の精神的に虐待する」「10の家族と折合いが悪い」の3項目に〇が付いていました。
実は私、もう25年以上前の事ですが学生時代に法律を専攻していました。
なので「この内容では慰謝料なんか発生しないな」と直ぐに感じました。
最近はDV、モラハラが原因で慰謝料も発生するケースもあるみたいだけど、今も昔も慰謝料の主な原因と言えば「浮気」です。
それに私はモラハラ等をした自覚はありませんでした。
時に喧嘩をしたのは認めますが「夫婦喧嘩の延長」との感覚でした。
なので 浮気をした訳でもないのに 「慰謝料請求って、おかしくないかな?」しかも300万円です。
まずは相手方の主張を整理する
申立書が届いてから指定された期日まで約1ヶ月間の期間がありましたので自分の考えと今後の方向性をまとめました。
1、親権は元相方とする
「特に問題無し。すでに子供と元奥さんは一緒に住んでいる。」
2、養育費は毎月5万円
「理由も無く子供に全然会わせて貰えない状況だけど、今回の調停を機会に少しでも前向きな話をして、かつ、ある程度具体的に使い道が解ればOKかな。」
この時点では自主的に4万円を支払っていたので1万円アップの要請でした。
3、慰謝料300万円
「やっぱり納得出来ないな。。。」
この点に関してはネットで色々調べたのですが「数10万~500万でケースバイケースです」とあまりにもアバウトな内容が多く。。。
しかしやはり慰謝料の発生する大きなポイントは「不貞行為」となる「浮気」。
次に最近の傾向として「暴力行為」となる「DV、モラハラ」のある無し。
相手方から出された申し立て理由には「2の異性関係」に触れていません。
「8の精神的に虐待する」に〇は付いていましたが、モラハラではなく「夫婦喧嘩の延長」だと言うのが私の考え。
代理人を頼むかどうか
そして次に考えたのは調停に対して代理人の弁護士を雇うか否か。
これについてもネット等で色々と調べました。
メリットとしては「自分一人で臨むより、アドバイスをしてくれる人と一緒の方が心強い」「資料の作成等が必要になった場合には代理人が解りやすくまとめてくれる」等々。
逆にデメリットとまで言わなくも「金銭的な負担は出来るだけ抑えたい」と言う気持ちもありました。
そして最終的には「調停はお互いに意見の交換だから今回は一人で対応しよう」「もし、仮に必要性を感じたらその時に考えれば良い」と言う結論を出しました。
これは特に今回の調停でポイントになる「慰謝料」に関して自分が学生時代に学んだ事とネットで調べた内容を総合して考えると「慰謝料が発生する要件は無い」と言う結論に達したからでした。
調停日当日の流れ
調停は平日のみなので、仕事のスケジュール調整をしないとなりません。
私の場合はある程度は融通がきく業務でしたが、それでも半日は休む形になりました。
指定された日時に裁判所に行って、指定された部屋で待機しています。
部屋は申立人(調停を起こした人)と相手方(調停を起こされた人)と別々になっています。
これは調停と言う話し合いの場を選んだ=「お互いの関係はギクシャクしてる」=「直接顔を合わすとトラブル、喧嘩になる」と言った配慮だと思います。私の待機部屋には私の他に10人前後の人が。
この待機部屋ですが長椅子が4つ程ある大きさ(10畳位かな?)
私は弁護士を雇っていないので一人で調停に臨みますが、弁護士らしき人と相談してる人も半分位いました。そして、その会話は狭いから聞こえてしまうんですね。
「養育費が少ないから、もう少し請求したい。。」
「今まで親の面倒なんか見て無かったのに、遺産相続になったら。。。」
「敷地の境界線は。。。」
みたいな感じです。
しばらくすると「事件番号385番の方いらしゃいますか?」と言った感じで、担当の係の人が部屋に呼びに来てくれます。
番号を呼ばれた人は、係の人と一緒部屋を退室して行きます。
自分の事件番号が呼ばれるのをジッと待ちます。
そしてとうとう私の番号が呼ばれました。
*事件番号は「調停期日通知書」に記載されています。名前の呼出はこの番号で呼ばれます。
私を呼びに来てくれた調停委員の人は40代前半と思える黒いメガネをかけた女性。
直ぐに部屋に向かうと思ったのですが違いました。
彼女から「先に申立人の人から話を聞きますから、もう少し待ってて頂けますか?」と言われました。
結局、指定された時間は13時でしたが、私が部屋に入ったのは13時30分過ぎでした。
部屋は8畳位(あくまで私の感覚)で長テーブルがお互い向き合うように置いてありました。
向こうの長テーブルには年配の男性(60代前半)が座っていました。
呼びに来てくれた女性は隣に座りました。
まずは、向こうが「担当の〇〇です」「担当の〇〇です」と挨拶があり、次に私が「山ピーです、宜しくお願いします」と挨拶して調停が始まりました。
なお、この場には申立人(元相方)はいません。
彼女は先にこの部屋で、この二人の調停員に「自分の主張」をしています。
彼女の主張を聞いた上で、次に「私の主張」を聞くと言う形で調停は進んで行きます。
そして自分の番が終わると入れ替わる形で申立人が入室して主張をします。
こうしてお互いの主張を繰り返し調停委員の方は「どちらの言い分が妥当なのか」「どのように進めて行くか」を見極めて行くようです。
この日、最終的に調停が終わったのは15時過ぎでした。
まとまらないお互いの主張
1、親権は元相方とする。
私も異論はありませんでした。
2、養育費は毎月5万円
私の考えは「今現在は月に4万円の支払いだが、月に一度定期的な面会交流が出来れば5万円であっても問題無い。」
これは離婚後、面会の約束が守られていなかったので交換条件的に提案しました。
これに対し申立人の希望は子供に会わせると言う事は置いておいて、「とにかく5万円欲しい」「出来るなら前払いとして1.000万円欲しい」と言う内容。
「1.000万円の前払い」ってどう考えてもおかしい。。
当時、子供は小学校入学前の園児です。
毎月の面会交流も出来ていないのに、そんなお金払う人がいるのでしょうか?
毎月払っている4万円だって、本当に子供の為に使ってくれているかも解らない状況。
元相方の主張は遠まわしに「子供に会いたいならお金を払って下さい」と言う感じで聞こえて来ました。
3、慰謝料300万について
申立人は暴力、言葉によるモラハラがあったと主張しましたが具体的な内容の説明はありませんでした。
それに対し私も喧嘩の流れで物を投げられて怪我をした事や言葉によるモラハラを受けた旨を説明。
実際に、離婚までに至る経緯で少なからずの言い争い、お互いを侮辱するような発言はあったと思います。
しかしそれは私からすれば「お互い様」「夫婦喧嘩の延長」と言う感覚でした。
養育費と慰謝料につきましてはお互いに妥協点を見出せず平行線の内容でした。
突然の終わり
初めての調停を終えて、約1ヶ月後に2回目の日程は決まっていました。
が、突然に一通の郵便物が裁判所から届きました。
それは「事件終了通知書」でした。
内容は「今回の事件は申立人からの申立て取り下げにより終了したので通知します」との事。
ようは元相方が起こした調停ですが、向こうの都合で一方的に取り下げると言う事。
理由も書いてありません。
勝手な想像ですが「自分の主張が現実的な請求でないと判断したのかな?」と感じました。
けど、「月に一度は子供に会わす」と言う約束が守られていませんでした。
子供に会わせない理由も一切教えてくれませんでした。
元相方のスタンスは「お金を先に払ってください」で子供を人質に取られているような感じでした。
このような状況の中で2015年5月に1度目の調停が終了となりました。
結果的には時間と精神的な負担ばかりが取られる内容で前向きな話は一切出来ませんでした。。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
*2019年7月一部内容更新